直樹が向かったのは、駅前にある生徒に人気のカフェ。
「ここですよ、会長。」
「ここか。生徒に人気らしいが、来たことはないな。」
店に入り、窓際の席に案内される。
「ここのケーキは美味しいらしいです、誕生日ケーキってわけにはいかないですけど…。」
「いいさ、ここで祝われても困る。」
注文して数分後に店員が持ってくる。
直樹は牛乳とモンブランを、蓮はコーヒーとショートケーキを頼んだ。
蓮がフォークで少し切って口に運ぶ。
「うん、美味しい。」
「それは良かったです。」
たわいない話をしながら食べていく2人。
蓮はショートケーキに乗っている、いちごに近づくとフォークで取り、皿の端に置く。
「会長って、好きな物は最後に食べるタイプなんですね。」
「わ、悪いか…。」
少し顔を赤くしながら言う蓮。
「いえ、ちょっと意外だったんで。将棋とかチェスでは一気に攻めていたから、てっきり最初に食べるかなって。」
「それとこれとは別だろう…。」
「ですね。」
微笑みながら言う。
「フン!早く食べろ、お前の分まで食べるぞ。」
「それは困ります…。」
