【8月20日、生徒会室】
「会長、そのダンボールは何ですか?」
会長席に置かれた、大きなダンボールを指差しながら直樹は言う。
「彩華と優華からの誕生日プレゼントだ。」
女子の制服に男子用のネクタイをして、彩華よりも長い銀色の髪が風に揺れる。
「今日、誕生日なんですか?」
「ああ、8月20日生まれの獅子座だ。」
「(やっぱり獅子座か…。)」
蓮がガムテープを剥がし、開けて手に取る。
最初に出てきたのは、ドクロが付いたネックレス。
「優華らしいな。」
「優華さんって、ドクロ好きですよね。」
「昔、私が付けていたドクロのキーホルダーがあったんだが、誕生日に何がほしいって聞いたら、それがほしいって言ってな。それ以来、なにかとドクロにこだわるようになってしまった。」
そう言いながら、ダンボールに手を入れる。
出てきたのは、大きいダンボールの大半を占めていたと思われる、大きなサメのぬいぐるみだった。
蓮がそのぬいぐるみの尻尾の付け根を持って、ブンブン振り回す。
「ふむ、フカヒレブレードと名付けよう。」
「プレゼントを武器にしないでくださいよ!」
思わずツッコミを入れる直樹。
「彩華さんのぬいぐるみ好きも、会長の影響ですか?」
