「オススメはやはり最近人気の、この初音○クです!!」




北村が手に取ったのは、エナメル素材なのか、やけにテカっている衣装だった。






「彩華さんは長髪なので、ウィッグ無しでできますし、今ならネギも付けますよ?」




「いや、ネギ付けられても…。」




この衣装とネギに、どんな関係があるのだろうか。






「あら、○クは守備範囲じゃございませんか?やはり先程熱心に見ていたバニーガールですね!ポニーテールにバニー、素晴らしい組み合わせです!!」






「(なぜ注目していたことを知っているんだこの人は!?)」




「当店は各色揃えておりますよ〜。」





北村の手には、黒、赤、白、青、ピンクなど、頼めばどんな色でも出てきそうだった。






「直樹く〜ん、どこ〜?」



最悪のタイミングで彩華が直樹を探しに来た。







「あ、いたいた!見てよ直樹くん、すっごい大きいクジラを見つけたんだよ〜。」





両手に大きなクジラのぬいぐるみを抱えて、彩華が近づいてくる。





「あれ、北村さんもいたんだ〜。何見て――――――」




北村が持っている物を見て、ポスッとクジラを落とす。






「彩華さん、彼氏さんが、コレを着てほしいそうよ〜。」





「俺は彼氏じゃないんですって!」





「あらあら、私ったら…間違いを…。」