「先週2回の報酬で、1500万ね。」




橋本さんの言葉に、直樹は思考が停止する。






「は〜い。」




金額をまったく気にしてない彩華が報酬を受け取った。






「ちょ、ちょっと待ってください!1500万って何ですか!?会長に弱みでも握られてるんですか!?」





「いやいや、正式な手続きをした報酬だよ。」




橋本が笑いながら言う。






「でも俺達がやってる仕事は、多くて1万くらいだし…。」




「これは裏の仕事の報酬だからね。君達が通常やっているのは、半ばボランティアに近いから。」



裏の仕事、いったい会長は何をしているのかが気になり、橋本に聞いてみた直樹。






「ごめんね、会長さんの許可がないと教えられないんだ。」





内容は聞けず、ビルから出る2人。





「裏の仕事、気になるの?」




「うん、彩華さんは知ってるの?」




「私は知らない。けど、危ない仕事だってことはわかるよ、じゃないと武器とか置かないでしょ…。」



彩華が少し悲しそうな顔をする。




危ない仕事。いつか話してくれるのだろうか?


手伝える日がくるのだろうか?


あの人の力になれるのだろうか?



空を見ながら、直樹はそんなことを考える。