体育祭が終わって数日が過ぎたある日のこと。部室に行こうと、直樹が旧館の廊下を歩いていると、蓮と彩華が少し離れたことろにいた。






「ちょうどいいところに来たな。」





「直樹く〜ん!」




彩華が手を振っているので近付く直樹。







「今、彩華に話していたとこなんだが、ちょっと商店街まで行ってきてくれないか?」




「いいですよ。何か仕事をすればいいですか?」



「いや、仕事はしなくていいんだ。前の仕事の報酬をまだ受け取っていなくてな、それの回収だ。場所は彩華が知っている。SSCを見せて、この書類を渡してくれればもらえるから。」





蓮がファイルから出した書類を受け取る直樹。








「わかりました。けど、受け取るだけなら1人でいいんじゃ?」





「まあ、そうなんだが。最近よく頑張ってるからな、そのお金で好きな物1つ買うといい。それじゃあ、俺はこれから会議だから。」




そう言って、蓮が歩き去る。







「それじゃあ、行こっか〜直樹くん。」




直樹は彩華と共に商店街に続く道を歩く。








「最近、商店街行った?」



長いポニーテールを、尻尾のように揺らしながら彩華が言う。






「食堂と売店があるからなかなか行かないんだよね。彩華さんは?」