「…直樹!!」
拓也の考えを理解して、直樹は靴底を合わせる。
「…うおおりゃあああ〜!!」
拓也が足に全力を込めて、直樹をさらに上へ飛ばす。そして拓也は青組にぶつかる。
「サンキュ、拓也!後は任せろ!!」
拓也の無事を確認して、相手チームの棒に狙いを定める直樹。
「らぁぁあああ〜っ!!」
体をひねり、その勢いで棒を蹴り倒す。直樹自身でも驚くぐらいの勢いで棒が倒れる。
しかし着地のことを忘れていた。
「あ…ヤベ。」
そのまま地面に向かって落ちていく。
流石にこの高さから落ちたら骨が折れるなと、直樹が思っていると。
「…オラ!早くマット代わりになれ、このバカ!!」
「ぐへぼがっ!?」
悠斗が拓也にボコボコにされながら、落下地点に仰向けに倒れる。
「うぎゃあああ〜!!」
直樹は悠斗のお腹に両足で着地して、ドムッと鈍い音と共に悠斗の叫び声が校内に響く。
「あはは…。ありがとう拓也。」
「…無事で良かったよ。まあ、やってくれると思ってたけどね。」
2人笑いながら、拳と拳を軽く合わせる。
「お、お前ら…。発案者に対する扱いおかしいだろ……。」
「「あぁぁん?」」
2人は悠斗を睨みつける。
「ごめんなさい…。」
こうして棒倒しは赤組の勝利となった。
