『さあ、第2種目の障害物競争です!まずは男子からスタート!』
初めの4人の中に拓也がいた。ピストルが鳴り、一斉にスタートする。
『トップは赤組、1年2組の黒木拓也!創立記念大会では、2組を後一歩で勝利するところまで導いた策士!個人の能力は高いのでしょうか!?』
最初の障害物の長い平均台を2歩で渡り、次々とクリアしていく。
『速い!頭だけじゃないぞ、黒木拓也!障害物を難なくクリアしていきます!』
拓也が最後の障害物をクリアして、最終コーナーを曲がる。
「…っ!?」
拓也が何かに驚いた表情をしていた。
拓也の先、ゴールテープの前に、悠斗が転がっていた。
『おっと!?なんだあれは!?さっきのゴミがゴール近くに捨てられているぞ!!会長、これはどうしましょう?』
『問題無い。ゴミも立派な障害物だ。』
会長権限で、悠斗も障害物とされることになった。
「ん…?」
悠斗が目を覚ます。
『悠斗、お前障害物な。』
「障害物?つまりこの先に通すなってことか…。ふっ…いいぜ、蓮さん!」
悠斗がやる気満々に戦闘体制をとる。
「拓也!あのとき着かなかった決着、今着けようぜ!!」
「…はぁ。バカだ。」
溜め息を吐きながら拓也が速度を上げる。
「うおおおらあぁぁ〜!!」
拓也に向け、悠斗が殴りかかる。
「…直線すぎ。」
