『あー、あー、テス、テス。こほん。こちら本部テントで実況をさせてもらいますは私、2年7組、放送部部長の滝沢成美(たきざわ なるみ)と…生徒会長の神崎蓮さん、そして実行委員のエリーゼさんです!!お二人とも今日はよろしくお願いします!』






『Yes!みんな、頑張ってくださいデ〜ス!』



エリーゼが蓮の隣でハシャいでいた。






『実行委員になれば、このやる気に満ちた体育祭を外から傍観できたのにな〜。みんなの頑張る姿を見れて嬉しいよ。あーはっはっは!!』





蓮の大笑いが校内に響いた。







「…流石は生徒会長、みんなが優勝賞品を期待し、やる気を出したところに悪魔のようなルール。予算削減と本能剥き出しの生徒達の戦いを観戦するという二段構え。」





「ただ腹黒いだけだろ!!てか、いいことって観戦することかよ!?」




蓮と拓也にツッコミを入れる直樹。








『さあ、まもなく借り物競争が始まります!ところでこの競技には会長の妹さんが出ていますが、もし1位以下なら妹さんにもクズバッジを渡すことになってしまいますが…。』





『何か問題があるか?1位以下はクズ!妹でも例外は無い。まあ、運動において、ヤワな育て方はしていないしな。』




どおりで彩華と優華の戦いのスペックが高いわけだと、直樹は改めて確信した。








『なるほど、妹さんの活躍に期待しましょう!さあ、借り物競争スタートです!!』