「さて、仕事熱心なのはいいが、命令を聞く相手は考えた方がいいぞ忍。麗花が悲しむ。」
「命令は絶対ですから…。」
忍が両手の刀を逆手に持ち、少し腰を落とす。
「やれやれ。まあ、美少女が相手なのは私も嬉しいよ。優華、そっちは大丈夫かい?」
「は、はい!ただ姉さんが、さっきからボーっとしちゃって…。」
「おや?いきなり抱きつかれて放心状態…。いや、これはハートを撃ち抜かれたかな?」
彩華は、まだ顔を赤くしながら、どこか一点を見つめていた。
「さあ、始めようか忍。お姉さんを楽しませてくれ。」
刀の峰を向け、ニコッと笑う菫だった。
………………………。
……………。
……。
階段を駆け上がり、直樹は2階の廊下に出る。背を向けている敵を撃ちながら、生徒会室前に向かい走る。
「加勢します!」
たどり着くと、雪が敵を投げ飛ばしていた。
「後ろ、3人!!」
雪の声と同時に振り返り、銃を撃つ直樹。
雪の方を見ると、雪の背後から、敵2人が警棒を振りかぶっていた。
「危ないっ!!」
銃を構えようとするが、間に合わない。
警棒が当たろうとする瞬間、その2人の体は宙に浮いていた。
正確には雪に投げ飛ばされた。
「武器なんて無粋だわ。」
黒髪を払いながら雪が言う。
今更ながら、この生徒会メンバーは強い。
