『会長と言うな、キングと言え。囮じゃない、保険だよ保険。そんなことより………………いつまで抱き付いてんじゃ〜!!』
蓮の言葉に今の状況を思い出した直樹。
引き寄せるために掴んだ右手と、位置をかえるために体に回した左手がそのままだ。つまり抱き付いている状態。
「うわぁぁっ!?ご、ごめん!」
「う、うん。」
お互い顔を赤くしながら少し離れる。
「てか見えてるんですか!?」
『それより、次来るぞっ!!』
左右から敵が侵入してくる。
さっきより、かなり人数が多い。何人かが階段を上がっていくのが見えた。
「侵入する前に狙撃してくれないんですか!?」
『すまない、数が多い。それにこっちも攻撃を受けている。』
次狼の声と共に銃声が聞こえる。
『ビショップはBポイントに移動。ルークは守備位置を東階段から生徒会室前に、クィーンは西階段の敵を排除しつつ1階へ。ナイト1、2は東の敵を、ポーンは西だ!!』
「「「「「了解!!」」」」」
みんなの声がインカムから聞こえた。
直樹は銃を二丁構え、目を閉じて深呼吸する。ゆっくりと目を開けて、銃を撃つ。
1人、2人と敵が倒れていく。
数10秒で向かってきた敵が全員倒れていた。
その奥に、誰か立っていた。
長く白いマフラーをなびかせた、女の子がそこにいた。
