そんなわけで、コードネームが決まった。
キング…蓮
クィーン…菫
ルーク…雪
ビショップ…次狼
ナイト1…彩華
ナイト2…優華
ポーン…直樹
そして今にいたる。
インカムと武器を装備し、配置場所を聞いて、移動する。直樹は彩華と優華と一緒に1階を守ることになった。
「でもいいのかな、相手はお嬢様なのに…。」
そんなことを、直樹が呟いていると。
『実弾じゃないんだ、安心しろ。それにナメてるとお前がケガするぞ。』
『最近の女の子は強いぞ、直樹くん。』
インカムから蓮と菫に注意される。共通回線なので全員に聞こえる。
「すごい説得力ありますよ、菫さん…。」
龍堂では、強い女の子代表である。
『2人を守ってあげるんだよ、優華。』
「はい!菫さん。」
「(守るって、逆じゃないのか?)」
直樹が心の中で言いながら、優華の方を見ると、小さな手には日本刀が握りしめられていた。
菫の刀より、少しだけ短いその刀は、鍔(つば)と鞘の上の方に鎖が巻き付いていた。
「優華さん?その刀は…。」
「これですか?私はまだ修行中の身ですので、刀を抜かないようにしてるんです。でも鞘は特殊合金ですから、安心してくださいね!」
どう安心すればいいのだろうか。
