「こちらこそよろしく、斉藤さん。」





「忍でいい…………。」





「わかった。なら俺のことも直樹でいいよ。」





その後、蓮と麗花が書類を出して話し始める。





話の内容は、昔から続いている交換学生の希望者の確認や、2人が考えていた文化祭時にお互いの学園を行き来できるようにする案件などを話し合った。








「今日はこんなもんだな。そろそろ帰らないと、そっちは時間に厳しいだろ。」




「ええ、そうですわね。つい時間を忘れてしまいました。」





気がつくと、時計がもうすぐ午後7時になろうとしていた。






「それじゃ、帰るわ。」





部屋を出ようとすると、蓮が麗花に呼び止められる。





「菫によろしく言っておいてくださる?」





「おう。」




振り返らずに蓮が左手を上げる。




部屋を出て、歩き出す。






「麗花さんは菫さんの知り合いなんですか?」




「2人の親が親友なんだよ。菫の家に行ったら麗花がいて、一緒に遊んでたんだ。それからの付き合い。まあ、幼馴染みってやつだ。」




そんな話をしながら歩いていると、前から1人の女の子が歩いてくる。