「いいんですか!?通報されるんじゃ…。」
お嬢様学校なのだから、かなりの警備システムがあるはずだ。
前に夜の校舎で襲ってきたロボットを思い出す直樹。
「不安だなぁ…。」
そう言いながらも、直樹は森を歩いていく。
とても複雑に歩いていく。右に行ったり、左に行行ったり、時には戻ったり、数分歩いていると森の様子が変わってくる。ジャングルのような景色から、妙に見晴らしの良い景色になった。
少しオレンジ色になってきた太陽が顔を出すのと同時に、洋風の建物が現れる。
「すごい、本当に繋がってる…。」
一歩踏み出そうとしたときに、蓮に襟首を掴まれ、そのまま後ろに引っ張られた。
直樹がドンと尻餅をつくと、さっきまで自分いた場所の地面に穴があいていた。
「やれやれ、ダジャレか?」
よくわからないことを言いながら、蓮が歩き出す。
すると物陰から何かが飛び出す。
それよりも早く、蓮は懐からサイレンサーが付いた拳銃を二丁取り出して撃つ。
撃たれたそれはバチバチと火花をあげている。
なにやらビデオカメラのような物だった。
「なんだろう?」
考えている間も蓮はそれを壊していく。
1分前後くらいで、静かになった。
カチャッと空になったマガジンを捨て、新しいマガジンを装填して懐に戻す。
「会長、なんですかこのビデオカメラみたいな物は?」