「まあ、かまわないが…。」
蓮と一緒に部室を出た。
「直樹、お嬢様に興味あるのか?」
「え?ありませんよ。」
直樹の言葉に蓮が首を傾げる。
「それならどうして付いて来る?」
「なんか中がどうなっているのか気になるんですよ。」
話をしながら旧館を出る。てっきり校門へ行くと思っていたが、反対のグラウンドの方へ歩いていく蓮。
「会長、どうして校門へ行かないんですか?」
「この学園とあっちの学園、森で繋がってるんだよ。」
蓮が指差す先には魔の森があった。
「えぇぇっ!?でも何回も探索しましたけど、一度も向こうに出たこと無いですよ?」
「行き方があるんだよ。その通りに行かないと向こうには出れない。」
「そうだったんだ…。」
一体あの森は何なんだろうか…。
「いつも森を抜けて行くんですか?」
「大体はそうだな。向こうの正門で、絶対に警備員に止められるから、時間短縮のためにな。」