「ううっ………。」




彩華がゆっくり足をプールに近づける。
親指が少し水に触れると…。







「ヒィィィィ〜ッ!!」




足を戻して、プールサイドの端で震えている。







「悪化していないか…?」



「ちょっとプールに投げ飛ばしてしまって…。」



優華が申し訳なさそうに言った。








「荒療治になるが、その方が早いかもしれないな…。」




そう言って、菫が端で震えている彩華を担いで持ってきた。






「菫さん、何するんですか…?」




直樹の言葉に菫はニヤリと笑い、彩華をプールに投げた。








「ギャャャァァアアア〜!?」




彩華が手足をバタつかせながら溺れている。







「な、何してるんですか!?」




「何って、水に慣らしているんだよ。」




そう言っていると、彩華がなんとかプールサイドに上がってきた。






「ビドイよぉ〜!」




「悪かったな、彩華。次はゆっくりやるから許してくれ。」





そしてまた、彩華がゆっくりと足をプールに近づける。






「おっと、足が勝手に。」




「えぇぇっ!?―――――キャャァァ〜!??」



菫が彩華の背中を蹴った。






バシャッと大きな水しぶきを上げ、彩華がプールに落ちる。




「彩華さんっ!!?」




直樹が助けに行こうとすると、腕を掴まれる。