夏も終わりに近づいたが、まだまだ暑い日は続いている。
そんな暑さに嫌気が差したわけではないが、直樹はプールに来ている。この町にある唯一の室内プールで、朝や昼間にはエクササイズに来る人をよく見る。
今日は日曜日、プールの入り口前で待ち合わせをしている。
悠斗と一緒にベンチに座っていた。
「お〜い!」
声がした方を見ると、彩華が手を振っていた。隣には、優華と菫がいる。合流して入っていく。
蓮にもらったタダ券を渡し、水着に着替えて、プールサイドに出る。
女性陣は既に出てきていた。
残念ながら色鮮やかで形が様々な水着ではない、学校の水着だ。
なぜなら遊びに来たわけじゃないからだ。
それは金曜日の体育の授業にさかのぼる。
【男子更衣室】
「あ〜あ、今日でプールの授業終わりだな〜。」
悠斗が全裸で話しかけてきた。
「そうだね。まあ、しょうがないじゃん。後、いい加減、全裸でうろつくの止めてくれ。」
真っ先に更衣室に行ったと思ったら、中で全裸になってうろうろしているのだ。(プールの授業が始まった日からずっと)ついでに、拓也は既に着替えて出て行った。