「もうそこまで…敵が来てる……直樹までやられちまう…。」
「だとしても、放っておけるか!」
直樹がもう一度、手を引っ張ろうとすると、悠斗に突き飛ばされる。
「お前はリーダーだろうが!やられちまったらお終りだ!早く行け!!」
「いたぞ!負傷兵だ!本陣に連れて行けば復活できない、さらに全員に3ポイントだぜ!!」
敵の声がすぐそこで聞こえる。
「チクショウッ!!」
直樹は走った。振り返らずに。友に守られた命を無駄にしないために。
「悠斗ぉぉぉぉ!!」
悠斗の死を境に、2組の反撃が始まる。
「…直樹、悠斗。敵が来ないからって、ドラマの1シーンするのは止めてくれ…。彩華もナレーションしなくていいから。」
後ろに立っていた拓也が言う。
「えー?いい話しだよ?台本渡されて読んだとき泣いたもん!」
近くでナレーションしてくれていた彩華が目を赤くしながら言った。
「優華、大変ね…。あれが姉で。」
「あれでもいいところ…あるんですよ。」
入り口近くで見張っている真里香と優華が話していた。
