目を開けると見慣れない天井だった。
「気がついた?」
声のする方へ顔を向ける。
黒いリボン、銀色の長いポニーテールが風に揺れている。
「彩華さん…。」
薬品の匂いがする、保健室か…。
「いきなり倒れるからビックリしたよ。」
「ゴメン。もう大丈夫だよ。」
体を起こして答える。
「そっか、よかった。」
安心したようで、笑顔になった。
ガラガラッとドアの開く音が聞こえた。
「起きたようだな。」
制服姿の会長だった。
会長に何かのプリントを渡される。
「学生寮の申請書だ。」
「え……?」
「学園とお前の実家には説明をして許可も取った。荷物は悠斗に運ばせている。」
流石に手際がいい。
