「やっぱり身近にいる彩華と優華のどっちかか?」




グイッと悠斗が直樹の顔を近づける。






「…情報によると夏休みに、エリーゼと柊のフラグを立てたとか…。」




意外な人物から攻撃がきた。







「俺も聞いたぜ!エリーゼの性格ならともかく、あの柊のフラグを立てるなんて驚いたぜ!」




「(日常会話と殺されかけた記憶しかないんだが…。)」





弁当を食べながら、直樹は心の中で呟く。






「拓也、柊のファンクラブってあったよな?」





「…あまり知られていないけど、確かに存在する。名前は『真里香様に怒られ隊』だったと思う…。」




特殊な性癖の人達が集まっていそうな名前だった。






「…直樹、最近誰かに見られてる感じしない…?」




「え?そういえば、たまに感じるけど…。」




夏休みの終わりくらいから、直樹はたまに感じていた。






「…それ、たぶんファンクラブの人だよ…。」




「ゲホ、ゲホッ!?なんで…?」




飲んでいた牛乳が器官に入り咳き込む。






「…難攻不落のツンデレ様と言われた、柊真里香のフラグを立てたからじゃないかな…。」