「でもまた次狼さんに狙撃されるんじゃ…。」
「大丈夫!観察の結果、次狼の兄貴は8分おきに狙撃ポイントに来るんだ。」
悠斗は勉強するふりをしながら、次狼を観察していたらしい。
「今さっき戻ったから、後7分は狙撃されない。」
悠斗が靴をベランダ持っていきながら話す。
「それじゃあ、行ってくるぜ!」
ビシッと親指を立てて、悠斗が隣のベランダに飛んでいった。
「彩華さんを連れてどうするんだろう?……………あれ?なんか作戦内容に違和感が…。」
そんなことを呟きながら勉強していると。
「キャァァァーー!!覗きよ!!!」
遠くで女子生徒の悲鳴が聞こえた。
「ち、ちょっと待て!違うって!!」
「大原悠斗!あんた何してるのよ!?」
「げっ、柊!?違う、誤解なんだ!!」
「問答無用よ!!」
「ギャァアア〜!!」
悠斗の悲鳴が響いていた。
「あ〜、そうだ。男が女子寮のベランダに現れたら、そりゃ覗きに間違われるよね〜。」
理解できて、違和感が消えた直樹だった。
30分後、蓮がボロボロになった悠斗を運んできた。
「筋トレを禁止して、ここまで欲求不満になるとは思わなかった…。こちらで対応策を考えよう。」
そう言って、蓮は部屋を出て行った。
