「そうか、残念だったな菫。」
直樹が後ろを向くと、菫が残念そうに刀を抱えていた。
「俺だけ危険じゃないですか!しかもすごく残念そうですよ!?」
「当たり前だ。俺が教えてやったのに赤点を取るんだからな。」
「すみませんでした…。」
何も言えなくなった直樹。
「よし、お前たちには外出禁止令を出す。彩華はゲーム没収、悠斗は筋トレグッズ没収、直樹はケータイ没収。死ぬ気でやれ!」
………………………。
……………。
……。
【直樹と悠斗の部屋】
カリカリとノートに書く音が部屋に響き渡る。
「しかし勉強ってめんどくさいよな〜。鉛筆転がせば簡単なのにな〜。そう思うだろ、直樹?」
「まあ、マークシートなら鉛筆転がすってのはわかるんだけど……普通のテストの数学の答えまでそれで導き出すのはちょっとね…。」
数学のテストのときに、後ろから鉛筆を転がす音が聞こえた時、直樹はかなり驚いた。
「そうか?一問正解してたぞ。」
この友人は運の使い方を間違っている気がする。
「直樹、俺は思うんだよ…。どんなにバカでも、大人になるんだ。だからこんな勉強なんかでくすぶってる場合じゃあねぇと…。昔はそうだったろ?やりたいことをしてたあの日の俺達に戻ろうぜ!」
「悠斗……あれ…涙が出てきたよ…。言葉は意味不明で分からないけど、言いたい事はわかった!」
「よっしゃ!行こうぜ、直樹!」
2人同時に立ち上がる。
