「兄貴、わかってくれたんだ―――――痛い、痛い、痛い、痛い!!」
「結果のでない努力は意味がないって、昔から言ってんだろうが〜!!」
彩華の側頭部を両拳でグリグリ押し当てて回す蓮。
「会長が…彩華さんに……。」
信じられなかった事が現実に起きた。
蓮のお仕置きが終わり、彩華が頭の痛みに悶え苦しんでいた。
「まったく、どうするんだ?実力テストまで、そんなに時間はないぞ。」
蓮の言葉に悠斗が息を吹き返した。
「そうだ、簡単じゃん!実力テストはマークシートじゃねぇか!今回は失敗したが、次こそ鉛筆転がせば当たるぜ!!あははは!」
高笑いする悠斗を横目に、蓮がパチンと指を鳴らす。
すると悠斗の後ろにいた雪が、右足を悠斗の背中に押しつけて両手を引っ張る。
「うぉぉぉぉぉ!?痛い、痛い、痛い!!」
メキメキと骨がきしむ音が聞こえる。
「誰が激運テストって言った?実力テストだって言ってんだろうが〜!!だいたい普通のテストでも、鉛筆転がすんじゃねぇよ!」
「ごめんなさい…。」
悠斗が解放かれてグッタリする。
「直樹は何か言いたい事あるか?」
「いや、ないです…。」
直樹は何か言いたかったわけではないが、2人の発言後を見たら言えるわけない。
