「なんじゃお前、生きとったのか。」




お茶を飲みながらアルフォードさんが興味無さそうに言う。






「死んでたまるかボケ!どうせ孫が心配で来やがったんだろ?いい加減孫離れしろ!」





「お前も妹離れしたらどうだ。どうせまた家族間メールなのに絵文字やデコメが無いからって怒っていたんだろう。その点エリーゼは絵文字やデコメを使ったメールを送ってくれる。私は愛されとるんじゃ!お前は一方的に愛しとるだけだろう!」





「命がいらねぇようだなジジイ!」




2人の間に火花が散る。




「2人は似た者同士だネ〜。」





「そうだね。」




2人の言い争いが終わるのに10分くらいかかった。






「ところでグランパはナニしに来たの?」




「おお、そうじゃった。エリーゼが日本のお金を持って行かなかったからの。振り込むついでに日本の銀行に口座を作ってきたんじゃよ。しかしお金が無いのに、どうやって生活してたんじゃ?」




「ご飯はレンに作ってもらってたヨ〜。」





「そうか蓮に…。どうやら世話になっていたようだな。」




アルフォードさんが懐から財布を取り出す。






「やめてくれじいさん…。そんなことしたら、イギリスに行ったときのレストランで食べた金を払わないといけない。そういうのナシって決めただろ。」





「そういえばそうじゃったな…。それじゃあ、通帳とカードを預ける。エリーゼが必要なときに出してあげてくれ。」




アルフォードさんが蓮に通帳とカードを渡す。






「じいさん…。あんた孫に国でも買わせるつもりか?」




通帳を見た蓮が言う。





「色々と必要になると思ってな、修理費とか。エリーゼは母親に似て、体が先に動くタイプだからの。」




「まあ、そう言う事なら。確かに預かったよ。」




「うむ。それでは、私は失礼しよう。」




その後、校門に来ていたタクシーまでアルフォードさんを送り、この日は終わった。