白髪で白いスーツを着た人だった。
「ここにエリーゼ・ヴィストレアはいるかね?」
「エリーゼですか?今はおりませんが…。失礼ですが、あなたは?」
「おっと、自己紹介がまだでしたな。私はアルフォード・ヴィストレア、エリーゼの祖父です。」
軽く会釈をして、菫に名刺を渡す。
「あなたがエリーゼのおじいさんですか。立ち話もなんですので、お座りください。」
菫に勧められ、アルフォードさんが椅子に座る。
「孫が勝手な事をして申し訳ない。少し目を離した隙にいなくなってしまった。」
「いえ、急で少し驚きましたが、しっかりした子ですし、明るいですから友達もすぐにできました。」
エリーゼは学園に来てから色々な部活に興味を持ち、そのキャラクターから2年や3年生まで友達がいる。
直樹と菫が、アルフォードさんと色々な話しをしていると、廊下からあの声が聞こえた。
「直樹ぃ〜!!!」
「やばい、逃げてる途中だった!」
足音が徐々に近づいてくる。
「やれやれ、あのバカ者が…。」
アルフォードさんが立ち上がり、上着を脱ぐ。
「ここか!なお――――――――うぐっ!?」
猫スーツの腹にアルフォードさんの拳がめり込んでいた。
「ハッ!!」
アルフォードさんが力を入れると、蓮は後ろの窓を突き破り飛んでいった。
「おお、200はいったな。」
菫は冷静に飛距離を見ていた。
