「いっ……っ…。なんだ!?」
振り返るとボールが転がっていた。後ろには誰もいない。
「まさか……。」
「次ッ!!」
キィーンと同じ音がして、左に受け身をとり、ボールを見ると、落ちた地面で回転して直樹がいた場所に飛び跳ねていた。
「野球でバックスピンかけてるよ…あの人。」
立ち上がり蓮の方を向く。
「会長!彩華さんは魅力的ですけど、別に付き合ってるわけじゃないんです!!」
「なに…?」
蓮が数分なにかを考えるように首を傾げる。
「って、お前はうちの妹をたぶらかしてるのか〜!!」
「ダメだ…話ができない。」
そして後ろを振り返らずに走り出した。
数分走り続け、生徒会室に辿り着いき、直樹がドアを開けると、菫が刀の手入れをしていた。
「おや、直樹くん。生きていたか。」
「こうなるってわかっていたんですね…。」
椅子に座り、息を整える。
「私は助け舟は出したはずだが?」
「まあ、そうですね…。」
話していると、ドアをノックする音が聞こえる。
「お客かな?」
菫がドアを開けると、強面の外国人が立っていた。
