三人ともギリギリセーフだったのだ。
もう少し頑張ってほしいなとこーちゃん先生にも言われ、蓮にもこの夏はちゃんと勉強しろと言われたのだが、あまりやっていないのが直樹の現状である。
恐らく、彩華も悠斗もやっていないだろう。
そんなこと思いながら走っていると、後ろで蓮が叫ぶ。
「お前ら武器よこせ!!」
「「「「あらほらさっさ〜!」」」」
休憩中で今まで教室でダラけていた生徒達が、満面の笑みを浮かべて蓮にホウキなどの武器を渡す。
「えぇぇぇぇっ!?さっきまでやる気ゼロだったのに!?」
「死ね、直樹〜!!」
ホウキ、チリトリ、バケツ、モップ、デッキブラシ、ゴミ箱、チョーク、黒板消しなどを次々と投げてくる。
「このフィールドは不利だ!!」
階段を下りて、混み合う食堂に入る。
「ごめんなさい!通してください。一番混み合う時間だし、ここなら大丈夫かも…。」
「ここか!直樹〜!!」
蓮が追ってきた。
「流石の会長も、混み合うここでは戦えないはずだ。」
「お前ら伏せて、トレイよこせ〜!!!」
「「「「「「「あらほらさっさ〜!」」」」」」」
一糸乱れぬ動きで、直樹以外の生徒が全員伏せて、蓮にトレイを渡す。
「そこか、直樹〜!!!」
両手の指の間に挟んだトレイを直樹に投げつける。八枚のトレイが当たる直前に、直樹は外に出ることに成功した。
