アイスを食べ終えて、ようやく解放された直樹。



生徒会室に戻ると、会長と菫がお茶を飲んでいた。






「生きていたか、直樹。」



蓮が羊羹(ようかん)を食べながら言う。





「会長はこうなると知ってたんですか…?」





「まあな。私も食べたことあるから。」




「じゃあ会長も、死にかけたんですね…。」




立っているのが辛くなり椅子に座る直樹。





「いや、一口食べて不味いと言ったよ。」




「えぇ!?よく言えましたね…。あの笑顔見てたら言えませんよ。」




「本人のために言ってあげたんだよ。まあ、怒ったけどね。あれはヤバかったが…。」




蓮が懐かしむように、遠くを見ながらお茶を飲む。





「言わなくて良かった…。俺、腹痛いんで休みます…。」




立ち上がり隣の部屋に行き、ベッドに倒れ込む。




「災難だったな、直樹くん。」




湯飲みを机に置いて菫が言う。






「これもいい経験だよ。」



「それより蓮、前に話にでた留学生はどうなったんだ?」




「あの子は、二学期からだな。寮の改装が終わってからじゃないとね。」



パリッと煎餅を食べながら、蓮が書類を机に置く。





それは、金髪でエメラルドのような瞳の女の子の写真が貼っている書類だった。