先輩に連れてこられたのは、調理実習室。
「先輩は家庭科部なんですか?」
「いやいや、私は料理研究部だよ。家庭科部は家庭科室だから〜。」
ガラッとドアを開けると、カレーの匂いがした。
「カレーですか?」
「カレーもあるよ〜。後は冷蔵庫に入れてあるんだよ。」
先輩がカレーの鍋に火をつけて、食器を取りに行く。
「俺は何を手伝えばいいんですか?」
「実は直樹ちゃんに食べてもらって、感想を聞かせてもらおうと思ってね〜。」
料理研究部の料理を食べれるとは楽しみだと、直樹は嬉しくなる。近くの席に座っていると先輩がカレーを持ってきてくれた。
「どうぞ〜。召し上がれ〜。」
「いただきま〜す。」
パクッと一口食べる。程よい辛さで、牛肉にもしっかり味が染みて、とても………。
「もぐもぐ………………。…………うぐっ!?」
ふと違和感が口に広がる。
確かに初めはカレーの味なのだが、後からくるこの味は……。
「(苦い!死ぬほど苦い!!なんだこの味は!?)」
カレーをよく見ると、何やら黒い粒のようなものが入っていた。
「(まさか…。これは焦げか!?)」
それは焦げたカレーが黒く固形物になったものだった。
みなさんはご存知だろうか?焦げたカレーはタバコの味によく似ていることを…。
