もしかすると、会長とのハプニングを想像されている人がいるかもしれない。しかし会長は、直樹が寝ているときまで仕事しているし、起きたときにはすでに朝食を食べているのだ。






そして今日も朝がくる。





直樹が目覚めるとやはり蓮の姿はなく、起き上がり隣の生徒会室へのドアを開ける。すると向かい側のドアが少し開いており、話が聞こえてくる。




このドアの向こうはダイニングキッチンの部屋があり、朝はだいたいこの部屋で食べている。





直樹がドアを開けると、この数日で見慣れた制服の上からエプロンをつけた蓮の後ろ姿。






そしてテーブルに突っ伏しているミディアムロングで淡い紫色(ピンクに近い)の髪の女性。




「お腹減って死んじゃうよ〜。蓮ちゃん、早く〜。」と、突っ伏しながら食事を要求し、会長をちゃん付けするこの女性は、3年生で風紀委員長である柊真由香(ひいらぎまゆか)先輩。





夏休み初日から、この時間を狙ったように来ている人である。




本当に風紀委員長ですかと疑いたくなるような仕事をする人で、「大丈夫でしょ〜」とか、「いいんじゃな〜い」が口癖である。







しかし優しく面倒見がいいので、多くの人から慕われている。




会長曰く、この人なりの線引きがあるらしく、それを越えない限りは怒らないらしいが、怒るとかなり怖いらしい。