【デパート・駐輪場】





「はぁ…はぁ…はぁ……。」




ようやくデパートに着いたが、直樹は大ダメージを受けていた。減速するたびに、胸の感触を強く感じるからである。





「どうしたんだ?具合でも悪いのか?」




「いえ…大丈夫ですから。」




とりあえず2人はデパートに入って行った。






「ところで、何を買うんですか?」





「下着だ。」




直樹は時間が止まったような感覚になる。どうして来る前に聞かなかったのだろうかと、直樹は本気で後悔した。






【デパート・4階】




レディース用品の店が並ぶ4階に2人はきた。






「毎回思うことがあるんだ。」




並んで歩いていると、蓮が口を開いた。





「何をです?」




「下着なんて、どれでもいいってね。直樹は下着を買うときに何か考えるかい?」





「特に考えませんね。好きな色とかくらいです。」




「だろう?この前も、優華と一緒に買いに行ったときに、3枚1000円のお得なのを買おうとしたら、なぜか怒られた。」




「ああ……。それはしょうがないんじゃ。」




なんとなく優華の気持ちがわかった直樹だった。