「ゴメン、待った?」




手を合わせながら上目遣いをする可愛らしい遥に、直樹は顔が少し赤くなる。







「い、今来たところ。それより自転車でいいの?」





「いいよ!話しながら行けるし。それとも…重い私はバイクの方が楽かしら?」




「そういう意味で言ったんじゃないから!」




「わかってるよ。早く行きましょ!」




荷台に横向に座り、遥は右手を直樹の腰に手を回す。






「最初は朝食を食べに商店街だっけ?」





「そう、朝のメニューが安い店を見つけたの!」



2人は自転車で商店街に向かった。




…………………。




…………。




……。






駐輪場に自転車を置いて、2人は商店街を歩く。



チョークボードに朝メニュー30%OFFと書かれた喫茶ルビーに2人は入った。







店には数人の客がいて、2人は窓際のテーブルに案内される。




店員がオーダーを取りに来て、直樹は遥に注文を任せる。遥はサンドイッチ、食後のコーヒーを注文した。