牛乳と猫スーツ。




「忍〜!頑張るのよ〜!」



麗花が手を振りながら言うと、忍は任せときなお嬢ちゃんというような表情で親指をグッと立てる。







「はぁ…はぁ…はぁ…。」



その隣で、息を荒くしてよだれを垂らしながら忍を横目で見ている男は、風紀委員4番隊・隊長の塩沢海。








「(なぜだ?俺は巨乳好きのはず。なのに…俺は今、興奮している!いつも初美といることが多いからか?いや、そんな細かいことはいい。とりあえず、未発達もイイネ!!)」





えへへと笑いながら、心の中で呟く。








『スタート10秒前!9、8、7、6、5、4、3、2、1、ゴー!!』



成美のスタートの合図で、第一走者達が走り出す。






一番前はやはり忍だった。






『速い!速いぞ斎藤忍〜!開始数秒ですでに100メートルを通過!誰も彼女に追いつけな――――いや!?いる!彼女の真後ろに!!』





「ッ………!?」





忍が振り返ると、そこには腰を前に90度曲げて、自分のお尻を凝視する海がいた。





「フハハハ!未発達かと思えば、いい尻してんじゃねぇ〜か!!」




目がイッちゃってる海が言う。





ゾクッと背筋に悪寒が走り、忍は青ざめた。






『残り50メートル!勝のはどっちだぁ〜!!?』




ゴールテープが見えてくる。忍にとっては短すぎる距離だが、今は数キロに感じていた。