「いやいやいや。この場合、蓮さんが言う言葉じゃないですよソレ。」
苦笑しながら呟く直樹だった。
「あのチーム、普通に戦った方が強いんじゃなくて?」
「イベントで蓮が普通にやるわけないから…。」
夕妃の問いに、麗花は引きつった表情で答える。
「反則しすぎだよ、姉貴!実況と先生達に根回しするなんて!!バカバカバカ〜!」
「これは戦いだ!根回しなんてよくあることだ!ってかバカとはなんだ!?このバカ〜!!」
彩華と蓮が、互いのほっぺたを引っ張り合いながらケンカする。
『さあ、むつまじい姉妹喧嘩に心を癒されたところで、次の競技は200メートル走だぁ〜!各チームから選ばれた、駿足の持ち主5名による高速バトル!速さが全て、己の足に魂込めろ!第二競技、始めるぜぇ〜!!』
「「「おおおおぉぉぉぉぉ〜!!」」」
……………。
………。
…。
「ホントに大丈夫かな?」
第一走者に不安を感じる彩華。
「大丈夫だ、安心しろって。」
悠斗が胸を張って答える。
「マジメに走るかな?」
「走ると思うわよ、女子率高いから。変なことしたら、風紀委員長として制裁を与えるから。」
彩華の言葉に、悠斗の隣にいた真里香が答えた。
『第一レースが間もなく始まります。注目はセントリーの斎藤忍さんです。あの駿足に付いて来れる者はいるのでしょうか?』
