「あはは、見よう見まねの彩華と極めた者じゃ、さすがに差はあるさ。まあ、強いことには変わりないけど。しかし、ただ強いだけでは戦えない、心も強くないとね。さあ、早く行こう。蓮に怒られる。」
菫は直樹の手を引いて、自分達の控え場所に向かった。
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『いよいよ始まります合同祭のメインイベント!第一競技は小手調べ、玉入れです!さあ、猛者達よ、熱き魂を投げ入れろ!それではスタート!!』
成美の合図と共に、グラウンドに玉が飛び交う。
「おりゃあ〜!!」
彩華が大量に持った玉を投げる。しかし、急に吹いた風により地に落ちる。
「か、風?っていうか台風だよコレ!?」
強風がグラウンドに発生して、玉が入らない。1チームを除いて。
左端の蓮のチームには風が吹いていなかった。それもそのはず、沙羅が足の鎖を出して回転し、風を発生させているからである。
『お〜っと!?神崎蓮チームの1年の織原沙羅選手、足を回転させて風を起こしている〜!!その隙にチームは玉を入れていく〜!』
沙羅の技を見て、成美は興奮しながら叫ぶ。
