『他の方にも聞いてみましょう。神崎先輩の右腕、龍堂菫先輩、出場の決め手は何ですか?』
「そこに蓮がいるから。」
ためらいなく言い放つ菫だった。
『またしても自分の言葉のように使ったぁ〜!あなたはどれだけ神崎蓮が好きなんだぁ〜?今からその言葉も神崎蓮も、あなたの物だぁ〜!!』
(*両方ダメです。)
汗を流しながら叫ぶ成美。
『さあ、インタビューもこのくらいにして、競技を始めるぜぇ〜!手に汗握る戦いの始まりだ!盛り上がっていくぞぉ〜!!』
「「「おおおおぉぉぉぉぉ〜〜!!」」」
両校から雄叫びのような歓声が上がった。
生徒達が各チームの控え場所であるブルーシートへ向かう。
「あの、菫さん。」
直樹が菫を呼び止める。
「なんだい?私に愛の告白か?」
「いえ違いますけど…。ずっと山でトレーニングだったんで聞けなかったんですけど、どうして彩華さんに気をつけろって言ったんです?」
「ああ、あれか。雪の踵落としはもちろん、卒業祭で彩華が蓮の曲を歌っただろう?あの子は見たり聞いたりしただけで、できてしまうんだよ。」
腕組みしながら話す菫。
「え?じゃあ蓮さんの技も?」
「できるはずだ。おそらく刀を持たせれば、私の剣術もできるだろうな。」
「なら一番強いんじゃ……。」
苦笑しながら言う直樹。
