「姉さまが大人しくしてくれるはずないですもんね。」
優華が苦笑いしながら言う。
「だから直樹も沙羅もいなかったわけね…。公欠扱いにできるほどの権力をまだ持ってたなんて。」
「あの中には理事長の孫がいるんだ、数日を公欠扱いにするくらい簡単だよ。」
遥と沙織が半ば呆れた表情で言った。
『私は放送部員2年の支倉美穂(はせくら みほ)です。今、グラウンドに来ております。神崎先輩に話を聞いてみましょう。』
マイクを持った美穂が蓮へと駆け寄る。
『神崎先輩。突然の参加と、最近姿が見えなかったのですが?』
「山籠りしてた。」
きっぱりと答える蓮だった。
『な、なんと山籠り!?その理由は?』
「そこに祭りがあるから。」
ためらいなく言い放つ蓮だった。
『なんとぉ〜!?ためらいなく有名登山家の名言を一文字変えて言い放ったぁ〜!まるで自分の言葉のように使うとは、さすがは元会長!今からその言葉はあなたの物だぁ〜!!』
(*ダメです。)
テンション最高潮の成美が叫ぶ。
