牛乳と猫スーツ。




【グラウンド】




競技を行うグラウンドでは闘志が溢れ出しそうな勢いで、開始を今か今かと待ちわびる。







『あー、あー、テス、テス。こちら本部テント実況席。さあ、みなさん!始まりますよ、合同祭!実況させてもらうのは、龍堂のみなさんはご存知、セントリーのみなさんは初めまして、放送部部長の滝沢成美でございます!こんな素晴らしい舞台が私の放送部最後の仕事になったこと、たいへん嬉しく思います。』




嬉しさと悲しさを合わせた顔をしながら、ぺこりと頭を下げる成美。






『私事はここまでにして、選手入場!!』




成美の声と共に、グラウンドへ出場する両校の生徒が入ってくる。






セントリーは生徒会チームと一般生徒チーム。龍堂は生徒会チームのみ。






『すみません、龍堂側は一般生徒の出場者が…………。』





話していた成美の元へ、おそらく放送部員の女の子が近づいて、紙を成美に渡す。







『ちょ、ちょっとお待ちください!?まさかのイレギュラーです!たった今、出場者が現れました!!し、しかも、このチームは!?』




成美の声をさえぎるように校内のスピーカー全てから、激しいロックな音楽が流れる。





混乱する生徒達をよそに、その者達が現れた。








神崎蓮を先頭に、元生徒会メンバー、補佐委員会の直樹と沙羅、そして元生徒会に尽力していた生徒達がグラウンドへ入場してきた。




「あ、姉貴を忘れてたぁ〜!!」





「確かに引退したカラ、レン達は一般生徒ですネ〜。」




頭を抱える彩華の隣で、エリーゼがあははと笑いながら言った。