「まったく…。君には驚かされるよ、あの2人のケンカを止めるなんてね。」
彩華の後を追ってきた沙織が腕を組みながら言った。
「さおりん、あの緑と赤紫の髪の人は誰?」
「緑髪は周防院夕妃。天条家と肩を並べる名家・周防院の一人娘だ。赤紫髪は周防院家の護衛を任されている久我(くが)家の静乃だ。」
「さおりんは物知りだね〜。」
「これでも政治家の娘だからね、色々と覚えさせられたんだよ。」
懐かしむような、悲しそうな表情をする沙織だった。
「さあ、戻ろう。合同祭に向けて、もっと練習しないとね。」
「うん!」
……………………。
……………。
……。
そして、あっという間に日が過ぎ、合同祭当日となった。
龍堂とセントリーの学園に両校の生徒が行き交う。出店もにぎわい、中には行列ができるところもある。
