「犬の躾がなっていませんわね。」
夕妃はゆっくりと目を閉じる。そして目を見開き、忍を睨みつけた。
「ッ…………!?」
圧倒されて、忍は後退る。
「忍、下がってなさい。」
麗花が忍の前に出る。2人の睨み合いが続くかと思われていた。
「こんにちは、麗花さ〜ん。」
急に2人の間から彩華が現れ、2人は驚く。
「な、なんですの!?」
「どうも、龍堂学園生徒会長、神崎彩華です!」
夕妃に敬礼しながら自己紹介する。
「生徒会長は蓮さんでしょう?冗談はおやめなさい。」
「姉貴は引退しましたけど?」
「まさか、彼女の任期は卒業前まであるはずです……って『姉貴』?」
「この子は蓮の妹よ。蓮は本当に引退して、今は彩華ちゃんが会長なの。」
彩華の肩に右手を乗せて、麗花が話す。
「情勢が変わったようですわね。詳しく聞きたいですわ。」
夕妃が真面目な表情をして、麗花に言った。
「わかったわ、生徒会室に行きましょう。」
麗花の言葉に頷き、夕妃達は校舎へ入って行った。
「ありがとう、彩華ちゃん。」
「ほえ?私は何もしてないよ?」
「フフフ。いいのよ。それじゃ、合同祭は楽しみにしてるわ。」
そう言って、麗花も校舎へ入って行った。
「なんだったんだろ?」
首を傾げる彩華。
