【直樹の部屋】
鍵がかかっていたので、彩華は鍵部(全ての鍵をこよなく愛する人達の部活)に会長特権で作ってもらった(部費アップをチラつかせて)カードキーで中に入る。
「直樹くん!あのね、6日後にセントリーと合同でお祭りすることになったの!」
彩華は直樹に話しかける。しかし、直樹は何も言わない。
「それでね、直樹くんには生徒会チームに参加してほしいの!」
彩華は直樹にお願いする。しかし、直樹はまばたきもせずに彩華を見る。
「急なことで悪いんだけど…。でも、私と直樹くんのコンビなら、誰にも負けないし!」
彩華は直樹を説得する。しかし、直樹は口を開いたままベッドに座っている。
「それに、祭りは2人で回りたいな――――って!!あなた、直樹くんじゃないね!!」
ビシッと、彩華が指差す先に座っているのは、二足歩行ができそうなくらい手足の長く、制服を無理やり着せた大きな猫のぬいぐるみがあった。
「直樹くんをどこに隠したの!逃げ場はないんだから白状して!」
猫のぬいぐるみの胸ぐらを掴んで、彩華は問い詰める。
「どこまで強情な――――ちょっと、そんな目で見つめられても。こ、困るよ、私には心に決めた人が…。」
まるで黒真珠(プラスチック製のボタン)のような瞳が彩華を見つめる。
「カ、カワユス。」
彩華は猫のぬいぐるみを抱き上げて、部屋から飛び出した。
…………………。
…………。
……。
