幼児化事件から2日が過ぎた。時刻は朝5時、少し明るくなった空は雲が少なく、気持ちのよい晴れになると思われる。
小鳥の鳴き声が聞こえる中、直樹は目を覚ましていた。
別に小鳥の鳴き声で起きたわけではない、まだ顔を少ししか出さない弱い日の光で起きたわけでもない。
名前を呼ばれて起きたのだ。しかし直樹は困惑していた。誰だって同じ状況なら同じように困惑するだろう。
「何してるんですか………蓮さん。」
蓮の名を言う直樹。なぜなら直樹を起こしたのは蓮で、目を開けるとなぜか蓮にマウントをとられているのだ。
「イエスかノーで答えろ。私に協力するか?」
おそらく飛び起きてきたのだろう、蓮はYシャツと黒のパンツ姿だ。
「な、何を――――」
「イエスか?ノーか?」
「イ、イエス…。」
断る理由もなかったので、直樹は頷いた。返事を聞いて、蓮はにっこりと笑う。
「よし、直樹は私が確保だ。」
「な、何なんですか?」
「すぐにわかるさ、協力の礼はする。ほしい物を考えておけ、私に用意できる範囲だがな。」
ようやく直樹から下りて、クスッと笑った。
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