「ユウカ〜!捜しましたヨ!」
「えへへ。」
惚の表情で、優華はエリーゼの胸に顔を押し付ける。
「おね〜ちゃん、あそぼ!」
「いいですネ!遊びましょうカ〜!」
エリーゼは優華に抱きつかれたまま、どこかへ走って行った。
「えっと…。作戦失敗?」
…………………。
…………。
……。
【新館・3階】
菫と直樹が捜索していた。
「妹についててあげなくていいのかい?」
「はい、沙羅がついてくれてますし。寝込みを襲いにくるときは、もっと過激な服装ですしね。」
苦笑しながら言う直樹。
「そうか、ならいいんだ。それより、蓮が一番危険なのはわかっていると思うが、彩華にも気をつけるんだよ。」
「彩華さんですか?優華さんの方が気にするべきだと思うんですけど…。」
「優華はまだマシだよ。胸の大きい人を見ると飛びつくくらいだ。彩華は―――ッ!?」
菫が急に真剣な表情になり、いつでも刀を抜ける体勢を取る。
それを見た直樹も周囲を警戒する。
「菫さん…。」
「気をつけろ、直樹くん。かすかだが、何か――――そこか!」
菫が抜刀し、目の前を水平に斬る。
プツンと細い糸が切れる。しかし、何も起こらない。
「何もないですね…。」
直樹が歩き出そうとしたとき。
