「大将、何もらったんだよ?」
興味津々の沙羅が直樹の方へ寄る。直樹は封筒を開けてみることにした。
「温水プールのペアチケットだ。」
「なるほど。そこは龍堂がスポンサーなんだ、いいところだから行ってみるといい。」
蓮が忍の頭を撫でながら言った。
「はい、機会があれば行ってみます。」
……………………。
……………。
……。
【沙羅の部屋】
「ああ、そうなんだよ。」
大きい水玉のパジャマを着た沙羅がケータイで電話しながら風呂場から出てくる。
「本当にいい人ばっかりだ。」
『そっか〜。良かったね、お姉ちゃん。』
妹のレンの声がケータイの向こう側から聞こえてくる。
『蓮お姉ちゃんに感謝しないと―――』
『そろそろ寝なさい。』
レンの声と同時に、彼女がお世話になっている教会のシスターの声が聞こえてくる。
『あわわ!?ごめんね、お姉ちゃん。もう寝ないと…。』
「ごめんね、長くなっちゃって。おやすみ、レン。」
『おやすみなさい、お姉ちゃん。』
ケータイの電話を切って、沙羅はベッドに飛び込む。
