「(何を考えてるんだ俺は……。)」
自分のバカな妄想に溜め息を吐く直樹。
「おっと、次は俺だな。え〜っと、謎の3人組に拉致される2回休み。」
*****直樹妄想中*****
「ど、どこだここは!?」
直樹は周りを見渡す。どこか廃工場のような場所だった。
逃げようとするが、手足を縄で縛られて動けない。
「「「あっはっはっは〜〜〜〜!!」」」
笑い声が聞こえた方を振り向くと、そこには彩華と遥と美樹がいた。
「ついに捕まえましたよ、お兄ちゃん!」
「逃がさないんだからね、直樹!」
「みんなで仲良く暮らそう、直樹くん!」
息を荒くしながら3人が近付いてくる。
「え?ちょっと!?待ってよ!いや、いやぁぁぁぁぁ〜!!!」
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「(ヤベェ…。一番違和感がない。)」
現実に起こりそうな気がして、直樹は震える。
その時、窓は開いていないのに、風が吹いた。
「ん?零か。」
蓮が向いている方を見ると、零が片膝をついて頭を下げていた。
「「うわぁぁっ!?」」
いきなり現れた零に、直樹と沙羅が驚く。忍は気にすることなくお菓子を食べていた。
「直樹殿、こちらがデスごっこの賞品です。」
零が直樹に封筒を渡す。
「そういえばもらえるんだっけ?ありがとう。」
「いえ、では私はこれで…。」
また風が吹くと、零の姿が消えた。
