「そういえば、生まれは博多だったな。」
蓮はまったく気にしていない顔でスカートをはきながら言う。
「そん前に…あんたは、どうして平気な顔ばしとるんやろか?」
「別に恥ずかしがることじゃないからな。」
「どっか、おかしよかんやなか(おかしいいんじゃない)?」
とりあえず、スカートをはく沙羅。
「こんすけべ野郎め!」
沙羅が倒れている直樹の背中を踏みつける。
「下着くらいで怒りすぎだ、沙羅。見られたことなかったのか?」
「そぎゃんこと(そんなこと)はなかけど。いきなりスカートばおろされたら、誰だって…。それより、早く阿部直樹って人ば紹介してくれんね!」
沙羅の言葉に、蓮は沙羅の足元を指差す。
「まさか…こん人やろか?」
沙羅の言葉に、蓮は頷く。
「う、うち、大変なことしてしもうたとよ〜!!?」
…………………。
…………。
……。
直樹が気がついたので、蓮は生徒会で話したことを直樹にも話した。
「改めて紹介する。私の後輩で弟子の阿部直樹だ。」
「よろしく…。」
ボコボコになった直樹が頭を下げる。
