「ッ!?」



直樹は振り返る。




プニ。






直樹の右手にささやかに反発するやわらかい物が収まる。






「あ。」




よく見てみると、右手は忍の胸に当たっていた。





「う……………………。」



顔が赤くなっていき、今にも泣きそうになる忍。





「ご、ごめん!!」




慌てて逃げる直樹。それを忍は刀を抜いて追いかける。






「うおおおおぉぉぉ〜!!」





死に物狂いで走る直樹。前方に、蓮と沙羅がいるが止まることを考えず走り続ける。







「捕まえ…………。」




背後から忍が手を伸ばす。






キーンコーンカーン!と、終了のチャイムが鳴る。




「やった!逃げ切っ―――うわぁぁっ!?」




つまずいて、直樹が前へ転ける。






「いててて……。ん?」




直樹の両手には、スカートがあり、2人分の足が見える。




見上げてみると、蓮と沙羅がいた。






「黒とピンクの水玉…。」



心の中で呟いたつもりだったが、2人のパンツの色と柄を口に出していた。






沙羅がようやく状況を理解して、沸騰したかのように顔を真っ赤にし、頭の上から蒸気を出している。








「あ、ああああ、あんた、なんばしとるの!?」



沙羅が怒りながら、直樹を蹴り飛ばす。






「ぐべっ!?うっ……。何で博多弁…。」




蹴り飛ばされた直樹が気絶する。