忍が紙を額に貼り付ける。〔ちょっと、おもしろいw〕と感想を書かれていた。
ピンポンパンポーン!
『さあ、次はなんと生徒会会長・神崎彩華さんです。彩華さん、最近発売されたRPGをプレイしていますね?』
「そうだよ〜。みんなの名前に変えてるんだ。ラスボス前で、倒したら主人公とヒロインのキスシーンがあるんだよ!楽しみでしかたないんだ〜!」
楽しそうに答える彩華。
『実は潜入したときに、忍とそのゲームを初めからプレイしたのですが、間違えて上書きセーブしてしまいました。この場を借りてお詫び申し上げます。』
ピンポンパーン。
「………………。」
白目を向いて、彩華は気絶する。
忍の貼り付けた紙には〔ごめんね〕と謝罪が書かれていた。
…………………。
…………。
……。
「はぁ…はぁ…はぁ…。」
肩で息をする直樹が、木の陰に隠れて休んでいた。
そしてケータイを開いて、時間を確認する。
「残り1分…。なんとか逃げ切れるか。」
ケータイを直して、立ち上がる。忍相手にその場でとどまるのは危険だからである。
「誰から逃げ切るの………?」
