あした

腕を強くつかまれる。

「ちょっと!はなして!!」

「何でぇ?」

「はなしてってば!!」

那緒は私を睨みつける。

「逃げれるとでも、思ってた?」

「…」

「フフッ、思ってたんだぁぁ?」

にんまり笑った那緒の顔が、逆に怖い。

茶色のカラコン。付けまつ毛とさらにマスカラ。ラメ入りのベビーピンク色のチーク。おまけにグロスをたっぷり塗りこんだ唇。みんなが『可愛い』というその顔、私には鬼にしか見えない。赤鬼ならぬ、ピンク鬼ッて感じ。

那緒は私の制服の襟をつかんで、思い切り壁に打ち付けた。

背中がひりひりする。