あした

私も、お母さんと同様。椅子にかけてあった上着と、お気に入りのショルダーバックを手にして家を出る。

外に出ると、いつもと同じ風景が広がっている。
「璃沙~」
大好きな声。
「柚!」
加藤 柚。私の唯一の友達。
そして唯一の私の生きる希望。
一人ぼっちの私に話しかけてきてくれた。
あのときは嬉しくて、泣きそうになった。
「柚、元気ないけど、どうしたの?」
そう聞くと柚は顔をあげて、私に抱きついてきた。
ビックリした気持ちと、嬉しい気持ちが合わさって、なんだか分からなくなる。
「璃沙聞いてよー、あたしの彼氏、浮気してるよー…」
柚の彼氏は、柚と同じ、A組の西田 桂くん。桂くんはすごくかっこいいから、美人のゆずとぴったり。
でも、桂くんに限って浮気だなんて…やっぱり男の人ってそうなのかな?
そういえば、私のお母さんとお父さんが離婚したのも、お父さんの浮気のせいだったような…。
「桂くんとよく話してみればいいんじゃないかな…」
「…」
「柚の気持ちを伝えれば、桂くんの気持ちが変わったりもするんじゃないかな?」
「そうかな…」
「そうだよきっと!」
首を縦に振りながら答えた。
ちょっとすると、柚はいつもの様に二コっと笑って、
「うん」
照れくさそうにそう答えた。