海岸沿い、人工的に作られた土地に吹く独特の不自然な強風にあおられながら駐車場までの道を歩く。
視界にはこの島へと続くコンクリートで出来た橋が描く曲線が見えるだけだ。
「あ~もうすっごい疲れた。ちょっとそこで一服してもいい?」
「食事中たばこ我慢してたもんね」
笑いながら自分もポケットから煙草を取り出す。
「だって少しでもいい印象与えたいじゃない? それでなくても雅紀のお母さんちょっと怖いし。ねえ、ちゃんとできてた?」
「心配ないよ。でもごめんね。失礼なことも聞いてたよな」
「そんなもんじゃないのかな? 大切な一人息子に悪い虫がついたら嫌でしょ! 私が母親でもそう考えると思うよ」
「そんなもん?」
うん。と頷きながらふぅっと煙を吐き出し灰皿へ捨てた。
「やっといつもの瀬名の顔に戻った」
「えっ? そんなに緊張した顔してた?」
「うん。ちょっと面白いぐらい?」
「えー ほんとに?最悪だ…」
おおげさに落ち込んでみせる私の右手を取って歩き始める。
「うそうそ。大丈夫。瀬名はかわいいよ」
『ありがとう』言葉にはせず、弾むように足を前に進めた。
車内で携帯をチェックすると、液晶には
”2件のメール”の表示
From さや ゆうと私から瀬名へ
”大丈夫だよ。私たちがついてる(^O^)/”
From ゆう さやと私から瀬名へ
”自分と雅紀を信じてがんばれ”
友達のありがたみを実感する瞬間。
少し疲れた気持ちに暖かく響いた。
視界にはこの島へと続くコンクリートで出来た橋が描く曲線が見えるだけだ。
「あ~もうすっごい疲れた。ちょっとそこで一服してもいい?」
「食事中たばこ我慢してたもんね」
笑いながら自分もポケットから煙草を取り出す。
「だって少しでもいい印象与えたいじゃない? それでなくても雅紀のお母さんちょっと怖いし。ねえ、ちゃんとできてた?」
「心配ないよ。でもごめんね。失礼なことも聞いてたよな」
「そんなもんじゃないのかな? 大切な一人息子に悪い虫がついたら嫌でしょ! 私が母親でもそう考えると思うよ」
「そんなもん?」
うん。と頷きながらふぅっと煙を吐き出し灰皿へ捨てた。
「やっといつもの瀬名の顔に戻った」
「えっ? そんなに緊張した顔してた?」
「うん。ちょっと面白いぐらい?」
「えー ほんとに?最悪だ…」
おおげさに落ち込んでみせる私の右手を取って歩き始める。
「うそうそ。大丈夫。瀬名はかわいいよ」
『ありがとう』言葉にはせず、弾むように足を前に進めた。
車内で携帯をチェックすると、液晶には
”2件のメール”の表示
From さや ゆうと私から瀬名へ
”大丈夫だよ。私たちがついてる(^O^)/”
From ゆう さやと私から瀬名へ
”自分と雅紀を信じてがんばれ”
友達のありがたみを実感する瞬間。
少し疲れた気持ちに暖かく響いた。
